猫よけ車対策
「猫バンバン(自動車内に入り込んだ猫を追い出す)」という言葉があるように、自動車は猫にとって、かっこうの縄張りポイントです。猫は警戒心が強いため身を隠す場所として自動車を選んだり、強い寒い時期にボンネットをベッドにしたりと、その使い方はいろいろです。
オープンカーの幌(ほろ)も材質によっては最高のベッドになるのか。「幌を新しいものに替えた次の日から猫がいすわる(昼寝する)ようになった。」という話も多いです。
猫が自動車に乗ると、足あと、キズ、毛、フン尿、場合によってはノミなどもを残していくこともあるので、自動車を大切にしている人にとっては深刻な問題です。
自動車の猫よけといっても、「戸建て敷地内に停めている車に猫が乗る」という被害から、「会社や施設の駐車場にたむろして糞を撒き散らす」といった被害まで、実に様々なトラブルが報告されています。
1.まずは状況観察、根本原因から除去できないか
猫はエサを食べるから糞をします。当たり前の話ですが、問題は、人間による餌付けです。「かわいいから」という理由でノラ猫にエサを与える人々がいるかぎり猫問題はなくなりません。
エサをやるなら糞のしまつまで責任を持つべきです。あるいは、責任が持てないな「かわいくても」エサを与えない。しかし、残念ながら、そこまで意識の高い人は少ないのが今の日本です。
ただ、野良猫の餌付けが、結果的にご近所さんに大変な迷惑になっていることを理解できる人も中にはいます。猫問題は隠れた社会問題なので、自分が餌付けしていることが、実は「問題行為」ということに気づいていないのです。
もし、近隣で野良猫に餌付けをしている人がいる場合は、毅然とした態度で、「餌付けをやめてください。(あなたがエサをやることで野良猫が増え、糞や尿の被害で激怒している人がいる。」
と伝えましょう。 それだけで、猫の行動ルートが変わって、すくなくともあなたの自動車の猫被害はなくなる可能性が高いのです。 2.まずは物理対策
猫よけの方法として粉を撒いたりトゲトゲを置いたりなどが知られていますが、そんな甘ちょろい対策で猫の忌避はできません。猫はかしこいというと語弊がありますが、それなりの知能や観察力をがあります。子供だましの対策は、ほとんどが徒労に終わります。
猫よけ対策の基本は「徹底継続」です。まずは、物理的な方法ですが、「カバーをする」ということです。毎回の着脱は面倒ですが、カバーをすることで猫にとっては不快な場所になり、猫が乗らなくなる場合があります。環境の変化に警戒して寄り付かなくなることもあります。
ただし、猫は場所の素材が変わっても、そこは「縄張りには変わりない」とカバーをしても、上に乗ったり糞尿をしたりすることもあります。
市販の自動車カバーではなく、猫のツメが引っかかって歩きにくくなるようなネットを使った防御がもっとも有効です。いくら縄張りでも、歩けないような不快な場所は、猫も避けます。
そして、重要なのは、猫が来なくなるまで(縄張りを諦めるまで)対策を継続することです。猫には学習能力があります。その場で追い払うのは簡単でも、縄張りの解除となると、繰り返し繰り返し教えなければいけません。ちょっとでも油断すると、またやってきますので対策の覚悟を決めたなら、とことんやり抜くくらいの気持ちが必要です。
3.猫よけ機による対策
現在のところ、猫よけにもっとも有効な猫よけ実用機ですが、もともと「庭用(地面用)」として開発されたため、自動車対策としてはちょっと工夫が必要になります。
猫は超音波を嫌がりますが、「音」である超音波には指向性があります。下に置けば上は弱く、近くは音のレベルは高く、離れると小さくなります。
左の写真のように、自動車の屋根やボンネットに乗るという場合は、屋根、ボンネット、それぞれにダイレクトに向けて設置するのが、高い効果を得るためのポイントです。
地面においても、猫は楽々すり抜けて、本来の縄張り(昼寝場所)であるボンネット、屋根に、ひょいっと乗ってしまいます。
自宅駐車場ならこのように機器を設置できますが、マンションの共用駐車場や青空駐車場の場合は、機器へのいたずらや盗難がありますので、自動車外に置くことができません。かと言って、車内に置いてしまうと、作動しなくなります(D)。
4.賃貸駐車場での車の猫被害
通常、無人の賃貸駐車場は野良猫のたまり場になることが多く、自動車へも被害が及ぶことも多々あります。
これは、駐車場契約者個人の問題として考える必要はありません。
自動車を駐車する環境の整備は駐車場オーナーの責任です。ですから、もし、賃貸駐車場で愛車が猫の糞やオシッコ、またはキズや毛玉など、耐え難い被害を受けている場合は、まずはオーナーに対策を求めてください。
良識あるオーナーなら、お客様である契約者のために何らかの対策をとってくれるはずです。でも、取ってくれないケースもありますので、そのような場合は、駐車場は解約して別のところを借りるのが最も無難な選択になります。
猫は「その自動車についている」のではなく、「駐車場のその場所を縄張りにしている」ので、駐車場を変えたからといって、ついてくることはまずありません。
5.マンションや共同住宅内駐車場での被害
マンションをはじめ共同住宅の駐車場は、概ね共用部分と言われます。
上記の賃貸駐車場と同様、とめてある車に被害がある場合は、個人の問題ではなく、共用部分の問題、つまり、管理組合で議論する問題です。
昨今は、マンションの駐車場も空きが増加し、収入減に苦しむ管理組合としても、何らかの対策をうたないと、さらに解約者が増えてしまって、さらに困る事態になります。
逆に、個人で対策してしまうと、周りの契約者からクレームを受けることもあります。まずは、マンション全体の問題であることを提起することをオススメします。
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