猫よけの常識・非常識
「間違っていませんか?」その猫よけ方法
ちまたにあふれる、効くのか効かないのかわからない猫よけ対策。とりあえず、やってみるものの、効果なし。あっても一時的。また粉や液体をまく。しばらくは来なかったけど、また来てやられた。毎日、糞の見回りと掃除。そんな事になっていないでしょうか?
飼い猫(ペット)しての猫はよく研究されていますが、自分に関係のないノラ猫、あるいはよその家の猫に対処する方法は誰も研究していません。むしろ、ノラネコはかわいがられる存在になっています。
ここでは、猫の糞やオシッコ、居座り、いたずらなどの迷惑を受ける側の立場として、知っておくべき猫よけに関する常識や非常識について解説します。
1.猫は柑橘系のニオイが嫌い
猫に、むきたてのミカンの皮を差し出すと嫌な顔をして逃げ出します。酸味系のお菓子の香料や、歯磨き粉など、刺激のあるニオイはどうも苦手なようです。これは間違さそうです。
じゃ、猫が庭で糞をするからと言って、ミカンの皮をばらまいたら、むきたて新鮮なニオイが発せられている時は近づかないでしょう。でも、30分もすれば、皮が乾燥してニオイも消えていきます。
つまり、効果があるのは新鮮なニオイが出ている間だけです。もし、毎日何百個というミカンを食べて、鮮度を落とすこと無く庭に皮をばらまくことができれば、その間は猫も近寄らないでしょう。
常識その1・・・かんきつ類の新鮮なニオイは逃げるけど乾燥すると無意味。
2.猫はふかふかの土が好き
「プランターに花や野菜を植えたところ、猫に掘り返され糞をされた。その後、毎日のようにプランターに糞をする。」
特に、土の少なくなった都会では、猫は好んで土や芝生など自然の素材を好んでトイレにします。プランターや植木鉢に糞をされる場合、よくプラスチックのトゲトゲが使われます。土の部分にしっかり敷き詰めれば、侵入しない猫もいます。
でも、問題は庭やガレージの場合です。「駐車場の地面が土(砂利、芝生)なので糞をされるのだろう。と思って、30万円近くの工事費でコンクリートを敷いた。」安心したのもつかの間、「コンクリートの上にも糞をするようになった。どういうことだ?」
わりと「あるある」のケースですが、これは、「砂や土を掘って糞を埋める習性」のある猫は、たしかに土を好む傾向がありますが、それ以前に「その場所をトイレ」と決めている縄張り意識のほうが強いのです。
だから、その場所の素材が何であろうと、トイレ化している場合は、変更しても変わりないのです。
常識その2・・・猫はふかふかの土が好きな傾向はあるが、それ以前に縄張りを重視する
3.猫は肉球の不快感を嫌がる
猫の肉球にガムテームなどを張ると大慌てでパニックになります。毛で覆われていない肉球は敏感であることもひとつの理由でしょう。
昔から、飼い猫のシツケによく使われる方法です。「テーブルに乗るな!」という人間の言葉を理解できないため、テーブルにガムテープを裏返しに貼っておくと登らなくなります。
これを猫よけに応用する場合は、庭全体にガムテープを逆向きに敷き詰める必要があります。
もちろん、そんなことできませんから、代わりのアイデアが卵の殻です。卵の殻を砕いて、肉球をチクチクするようにすれば、猫も歩けません。
なかな良いアイデアですが、卵の殻も自然のもの。雨風にさらされると角は取れ、やがて土に戻ります。柑橘類と同じように、砕きたてで尖った状態のときだけ効力を発揮します。猫は観察力がするどいので、「歩けるな。」と思ったらまた侵入してきます。
常識その3・・・確かに、肉球の不快感を嫌がる。卵の殻は一時的
4.猫は大きな音を嫌がる
聴力の優れた猫は大きな音を嫌がると言われます。猫が庭に侵入して糞をしようとしたときに、「こらっ!」と声を上げて追い払います。
確かに、たいていの猫は逃げますが、これは音というより、人間に警戒(命の危険を感じ)して逃げる意味あいのほうが強いのです。
大きな音が何でも苦手なら、トラックでも通ればすっ飛んで逃げるはずですが、自動車に電車など、街なかの騒音は気にも止めていません。
猫はどちらかというと、ノイズ系の音が苦手な傾向があります。例えば、ドライヤーなどはトラックの騒音よりも小さく感じますが、猫にとっては脅威のようです。庭に猫が来るたびに足の生えたドライヤーが撃退にいってくれれば猫も逃げるでしょう。
常識4・・・猫は単に「大きな音」というよりノイズ系の騒音が苦手な傾向がある。
5.保健所が捕まえてくれる
猫の捕獲は法律で禁止されているため、保健所といえど、むやみに捕獲することはできません。
例外として、「地域猫」活動があります。ノラネコを捕獲して、避妊去勢をし1代かぎりで終わらせ、徐々に猫の数を減らす対策です。
ただ、静岡市のアンケートでは、このような活動に関心がある人は、全体の10%程度です。90%の人は関心がなかったり、あるいはやりたくなかったり否定的です。
被害を受けている人にしてみれば、今すぐなんとかしたいのに、そんな呑気なことは言ってられませんから、当然と言えば当然でしょう。
常識5・・・保健所は猫の捕獲はしてくれない
6.猫よけは猫のシツケ
猫は縄張りの動物。食事場所、トイレ、昼寝場所をテリトリーを決めて行動します。一度縄張りを決めてしまうと、そう簡単にあきらめることをしません。
猫は学習能力があるので、繰り返し教えてると学びます。「この繰り返し」というのがポイントです。
残念ながら1度や2度でおぼえるほどの知能はありません。飼い猫のシツケで苦労した経験のある人もいるかもしれませんが、数ヶ月から数年かかる場合もあります。
中には、トイレの場所を全く覚えず、室内飼いをしているにもかかわらず、ゲージから出せない猫もいるほどです。それくらい猫の知能にもばらつきがあります。
これを自分の猫ではなく、よその猫にたいして行わないといけないので大変です。猫が嫌がることを繰り返して教える」という点で、猫よけは猫のシツケと言えます。
常識6・・・猫よけは猫のシツケ
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